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浅田斉吾のPDJ優勝が意味するもの


昨日PDJ JAPAN CHAMPIONSHIP(以後 PDJ)が行われました。
PDJは年末に行われる世界最大のダーツトーナメント PDCワールドダーツチャンピオンシップに出場する日本代表選手を決める試合です。
その試合で浅田斉吾は文句なしの強さで優勝しました。

しかし試合の朝、浅田斉吾は苦悩していました。
自分は正しいのか、間違っているのか。

浅田斉吾はすでにPDCアジアンツアーで上位ランキングに入っているためそちらでPDCの出場権を得ていました。
そしてもしPDJに出場して優勝した場合はそのすでに得ている権利を放棄することになっていました。

わかりやすく説明すると
PDJで浅田斉吾が優勝 = PDCチャンピオンシップに出られる日本人選手 浅田斉吾ひとり
PDJで他の選手が優勝 = PDCチャンピオンシップに出られる日本人選手 浅田斉吾とPDJ優勝者の日本人ふたり

浅田斉吾は日本人枠を1つ消してまでもPDJに挑む決断をしての出場でした。

余計なことすんじゃない!って思う人も多いと思います。
日本人が初めて2名も出る快挙なのに!って自分も最初は思いました。

そんなことしたらどれだけ批判されるかも分かった上で浅田斉吾は出場したんです。
でも最後の最後まで悩んでましたよ、本人は。
そして浅田斉吾が出した結論は、世界に挑むその気持ちに正直になって、たとえ批判を受けてもPDJに挑戦するという決断。
日本トップクラスが集まるPDJで勝って、そこではじめて日本代表として世界に挑むんだという気持ち。
言い方を変えれば誰も僕を倒せないならこのアジアンツアーの枠を放棄してPDJ枠を使ってPDCチャンピオンシップに出場しますということでしょう。

ちなみにアジアンツアー枠での出場権には派遣費用はでません、すべて個人負担でイギリスに行きます。
PDJで勝って出場権を得た場合はPDJが費用を負担してくれます。

こうなると浅田斉吾は渡航費やら宿泊費をケチりたいがためにPDJに出たのか。
そのせいで日本人がひとり出られなくなるのか。
そう思う人もいるでしょう。

言わなくてもお分かりでしょうが浅田斉吾は金あります。
税金対策で交通費たくさんつかわなきゃいけないぐらい賞金とってます。
なのでそんな小さな理由でPDJに出たわけじゃないはずです。

純粋に日本で一番を決める試合に勝って世界に行く!
これでしょう。

そしてその結果、誰も浅田斉吾を止めることはできませんでした。
PDJ優勝 浅田斉吾という結果です。
これみんなが出した答えです。
誰も文句言えないんです。

しかもよく考えてみれば、そもそも日本人が2名出られることになったのも浅田斉吾がアジアンツアーを回って勝ってポイントを稼いで枠を1つ取ってくれたからです。

その浅田斉吾がその自分で苦労して勝ち取った権利を放棄してでも挑戦したかったPDJ。
その決断、苦悩、覚悟はかなりのものだったと思います。

大会の最後に浅田斉吾は優勝インタビューで会場にいる人たちに向けて、この事実、その心境を正直に話しました。

浅田斉吾の優勝インタビュー

みなさん、応援ありがとうございました

皆さんご存知の通りPDCのアジアンツアーでも僕は権利を持っています
なぜここに出たかというと、、
それは世界を目指すものとしてここは出場しようということで出させていただきました
日本人がふたり出られるはずだったかもしれませんが、、、
自分が(PDJから)でることになってひとりになったかもしれません、、
ただ・・・

必ず年末のチャンピオンシップで少しでもいいダーツをして帰ってきたいと思います

アジアンツアーも本当に大変なツアーでしたが、
そこでツアーのワールドチャンピオンシップの権利を取ったことも本当に大変なことでした

ほんとに皆さんの応援あってのことだと思います

年末必ずいい結果を出して・・
向こうでいいダーツするんで応援よろしくお願いします!

ひとつひとつの言葉を噛み締めながら、言葉を詰まらせながら自分の想いを語ってくれました。
その言葉の端々に枠をひとつ減らしてしまったという責任と、そしてそのことを背負って世界で戦うという覚悟が感じられました。
本当に気持ちの込もった優勝インタビューでした。

この記事は今回の結果を聞いた人たちが「日本人枠がひとつ減った」といううわべだけの結果に振り回されず、この浅田斉吾の決断と日本最強の強さで優勝し世界へ向かおうとしたその姿を少しでも知っていてもらえたらと思い書いたものです。

PDCワールドダーツチャンピオンシップ2018-2019
日本代表 浅田斉吾

間違いなく日本が世界に誇るダーツプレイヤーです。
浅田斉吾ひとりで十分! おれに任せておけ! そういうことです。

本当にがんばるから!っていう日本最強のプレイヤーをみんなで応援しようじゃありませんか。

インタビュー映像提供:タクロー@プロダーツ選手&プロブロガー


 

追記
2018年12月18日 PDCワールドチャンピオンシップ 1回戦
浅田斉吾はこの年にブレイクした注目選手のひとりポーランドのクリストフ・ラタスキーと対戦。
PDCメディアたちが浅田斉吾の力を認めつつもその実力差は圧倒的と評される中で0-2とリーチをかけられたところから怒涛の3セットまくりを成し遂げ、PDCランカー相手に見事初戦突破を果たしました。
上のPDJ優勝インタビューで浅田斉吾が語った覚悟は世界最高峰の舞台で実を結び見事な花を咲かせたことを心から評しここに報告しておきます。
浅田斉吾の選択は正しかった。
そしてその覚悟は心底強いものだった。
それがヒシヒシと伝わる素晴らしい試合でした。
試合動画はこちらから。
https://youtu.be/Kn95R9uLWOc

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